マレック病凍結生ワクチンの取り扱い (ワクチノーバ株式会社の製品の場合)
1. 液体窒素タンクの取り扱い
マレック病(以下、MD)凍結生ワクチンは、液体窒素容器(以下、液体窒素タンク)内において、-190℃以下での保存が必要ですので、液体窒素タンク内の液体窒素量の管理が必要です。
- ワクチン到着時に液体窒素タンクの重量を測り、木箱に記載されている重量と照らし合わせてください。重量 が極端に少ない場合は、弊社までご連絡ください(生産管理統括部 担当:03-6895-3715)。
- 液体窒素タンク到着後しばらく保管する場合は、2~3日ごとに重量を測り、重量が窒素補充の目安量以下になった場合には液体窒素を補充してください(表1)。
- タンクや液体窒素の取り扱いには、事故のないように十分注意してください。
- 危険防止のため、皮膚を露出させない服装、マスク、防護眼鏡、手袋を着用してください。
- 液体窒素は常に気化しているので、液体窒素の取り扱い時には十分換気をしてください。
- 液体窒素容器は密封すると爆発する危険があります。密封しないでください。
表1. 液体窒素タンク重量の目安
液体窒素タンクの重量 | 17L用 | 18L用 | 20L用 (各角型/丸形) |
---|---|---|---|
液化窒素満タン状態 (ワクチン無し) |
24.8kg | 25.2kg | 26.8kg/27.6kg |
ワクチン100本 (ケイン、キャニスター含む) |
0.5~0.6kg | ||
窒素補充の目安量 | 22.2kg | ー | 23.4kg/24.4kg |
2. ワクチンの調整方法
- ワクチン調整用注射器は添付のもの又は市販の滅菌済のもの(注射針の太さは21G)を使用すること。一度開封したもの及び使用済のものは使用しないこと。
- あらかじめ35~37℃の微温湯1000mL以上を入れた容器を用意する。
- 溶解用液に異常がないことを確かめること。
- 液体窒素容器からアンプルを取り出し、直ちに用意した微温湯に浸す。
- アンプルを軽く振りながらワクチンを融解し、完全に融解した時点で微温湯からアンプルを取り出す。
- アンプルを開封する時は、アンプルの表面を消毒し、細菌等による汚染を防ぐとともに、消毒薬がアンプルの中に入らないように注意する。
- マレック病凍結生ワクチン溶解用液の注入口のゴム栓を消毒用アルコールで消毒する。消毒後は消毒用アルコールを残さないように拭き取る。
- アンプルの内容物を注射器で静かに吸い取り、溶解用液にゆっくりと注入する。再度注射器に溶解用液を吸い取り、アンプル内をすすぎ、内容物を残さないように完全に溶解用液に移す。
細胞の一部はアンプル内の壁に付着しており、すすぎ液には15%も細胞が残っています。
3. 接種方法
<頸部皮下接種>
凍結ワクチンを素早く融解後、マレック/バッグで1羽当0.2mLとなるように浮遊させ、0.2mLずつを初生ひなの頚部皮下に接種する。
- <発育鶏卵内接種>
- 凍結ワクチンを素早く融解後、マレック/バッグで1個あたり0.05mLとなるように浮遊させ、自動卵内接種機を用いて0.05mLずつを18~19日齢卵の気質上方中央部より卵内に接種する。
【引用】
2.3. 使用説明書
【参考資料】
栃木ラボラトリ試験 1984年、1998年、2006年